十年の時を経て拓いた、『津軽塗たなか』の挑戦
津軽塗は、本州最北端・青森県弘前市を中心に、江戸時代から受け継がれてきた伝統工芸の漆塗です。
幾重にも漆を塗り重ね、研ぎ出すことで生まれる奥行きある表情が特徴で、1975年には国の伝統的工芸品としての地位を確立し、2017年には国の重要無形文化財に指定されました。
弘前市に工房を構える「津軽塗たなか」は、昭和22年の創業以来、70年以上にわたり津軽塗一筋でその技と精神を守り継いできました。
伝統の価値と魅力を次の時代にも残していきたい——
その想いから、約十年に及ぶ試行錯誤を経て誕生したのが「透ける津軽塗」です。
表現の鍵となったのは、透過性をもつ漆素材「透漆(すきうるし)」
この透漆を素材の一部に取り入れることで、「光を透過する漆」という、これまでにない表現が可能になりました。
何十層にも漆を塗り重ね、磨き上げる津軽塗独自の「研ぎ出し変わり塗」の技法によって、光を内包する奥行きあるテクスチャが生み出されています。
「津軽塗たなか」は、これからも津軽塗ならではの技と美意識を礎に、新たな漆表現を提案し続けます。












