秋の叙勲にて勲章「瑞宝単光章」を受章
本年11月3日(文化の日)、当社所属の伝統工芸士 大高繁が、秋の叙勲にて勲章を授かりました。
受章したのは「瑞宝単光章」という勲章で、「公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた方」に授けられる勲章ということです。
大高は1955年に当社に入社・初代 田中柾敏に師事して以来、60年以上に渡り、津軽塗業界の発展、当社の維持・存続に大きく貢献してくれている当社になくてはならない伝統工芸士です。
この度、長年の功績が認められ、勲章の受賞・天皇陛下への拝謁が叶ったことは、人生をかけて伝統工芸に従事し続けている大高にとって、まさに職人冥利に尽きる経験となりました。
大変名誉なことですが、当社関係者の勲章・褒章受章は、先代社長である田中一郎が1990年に受章した「黄綬褒章」に続き、おかげさまで二度目の受章となりました。
これもひとえに日ごろより当社ならびに津軽塗業界をお引き立て・ご支持いただいている皆様方のおかげでございます。
また、このような名誉な評価をいただくことは、これから当社ならびに業界を支えていくスタッフにとっても大変なモチベーションとなります。
大高は76歳となった現在も現役で津軽塗を作り続けています。
あまり無理をせず身体を大事にして欲しいとも願っていますが、彼のような職人の背中を見て、後輩である私たちは技術だけではなく、たくさんのことを学ばせてもらっています。
津軽塗に限ったことではないかもしれませんが、職人の減少や購買需要の減少、それに伴う雇用・待遇の問題など、(特に商売として続けていくには)この業界には多くの課題があります。
一方で、津軽塗を長年お引き立て下さっているお客様も沢山いらっしゃいます。
また、全国的に(あるいは世界的に)和モノの美しさ・完成度の高さが再評価され始め、新たに津軽塗の魅力を感じて下さるお客様もいらっしゃいます。
たなか銘産では、創業当初より「お客様に喜ばれる良いモノをつくる」・「商品を時代や環境に合わせていく」をモットーに、津軽塗を作り続けいています。
これからも魅力的な商品を心を込めて作り続けて参りますので、今後ともお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。
― 略歴 ―
- “大丘” こと 伝統工芸士 大高繁 ― 略歴 ―
1940年 | 青森県黒石市に生まれる. |
1955年 | 田中津軽塗製作所入社. 田中柾敏に師事. |
1959年 | 郷土物産新作品発表展示会にて 四年連続「市長賞」授賞. |
1962年 | 仙台工業技術院産業工芸試所 「漆工課程」修了. |
1976年 | 全国漆器展出品. |
1977年 | 経済産業大臣認定 「伝統工芸士」称号取得. |
1978年 | 青森県漆器協同組合連合会主催 「伝統的技術研修課程」修了. |
1999年 | 「卓越技能賞」受賞. |
2002年 | 「東北経済産業局長賞」受賞. |
2012年 | 「青森県県褒賞」受賞. |
2016年 | 秋の叙勲にて「瑞宝単光章」受章. |
瑞宝単光章 (2016年受章)[受章者:大高繁]
勲章制度
明治8年4月に「勲章従軍記章制定ノ件」(太政官布告第54号)が公布され、これが現在の旭日章の基になったもので、我が国の勲章制度の始まりとなっています。以降、明治9年に菊花章、明治21年に瑞宝章と宝冠章、また、昭和12年には文化勲章が制定されました。
瑞宝単光章 の授与対象
公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた方
[引用元:内閣府 “http://www8.cao.go.jp/shokun/shurui-juyotaisho-kunsho.html”]
黄綬褒章 (1990年受章)[受章者:田中一郎]
褒章制度
褒章は、明治14年12月の「褒章条例」(太政官布告第63号)公布により、紅綬褒章、緑綬褒章、藍綬褒章が制定されたのが始まりで、以降、大正7年に紺綬褒章、昭和30年に黄綬褒章、紫綬褒章が制定され、現在に至っています。
褒章のデザインは、「褒章」の二字を桜の花で飾った円形のメダルで、綬の色(紅、緑、黄、紫、藍、紺)により区分されます。
黄綬褒章 の授与対象
農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する方
[引用元:内閣府 “http://www8.cao.go.jp/shokun/shurui-juyotaisho-hosho.html”]