菜の花の種が生み出す上品な輪紋。
七々子塗は、菜の花の種”菜種”で小さな輪紋を浮き上がらせた上品なモノグラムの津軽塗です。
落着きと艶やかさを併せ持ち、漆の持つ品格を楽しめます。
菜種を蒔くために、全体に漆を塗る。
この時の漆の色が、輪紋の輪の色となる。
塗った漆の厚さと硬さが少しでも不適切だときれいな輪が出来ないため、熟練の技が必要。
菜種を蒔き終えた箸。
表面張力で漆が菜種の周りに昇ってくるため、菜種をはがすとクレーター状の凹凸ができる。
固まるまで数日置く。
菜種を剥ぎ終えた箸。
菜種があった周囲にクレーター上の凹凸ができている。
この表面全体にベースにしたい色の漆を、輪紋の色とツートーンになるように数回塗り重ねる。
赤い箸なら赤い漆、黒い箸なら黒い漆。
漆が乾いたら、研ぎ出すと輪紋が現れる。
少しでも研ぎすぎると、輪が切れてしまったり無くなってしまうので、これも熟練の技が必要。